公務員の中でも比較的仕事が簡単で給与もそれなりに貰える仕事です。
以前に現業職のメリットについて紹介しました。
仕事が簡単で給与も良い現業職にもデメリットが存在します。今回は現業職のデメリットを紹介していきます。
本記事では現業職を考えている人の悩みを解決できるように情報を発信していきます。
◯自己紹介
某中核市で公務員として約5年ほど働いてきました。その他、外資系企業や大手ホテル業界でも仕事をした経験があります。元公務員の立場として現業職を目指している人に有益な情報を発信します。
技能労務職とは?
では技能労務職(現業職)とはどのような仕事を指すのでしょうか?
国および地方公共団体の非権力的な業務のこと。一般職に属する地方公務員で、調理員、用務員、自動車運転手、守衛、電話交換 手等の労務を行う者のうち、技術者及び監督者以外の者をいいます。 .
具体的にどのような仕事があるかというと
- 用務員
- 清掃員
- 給食調理員
- バスや鉄道の運転手
- 道路補修作業
行政職とは違い、単純労働や肉体労働が主な仕事が多いです。更に行政職と違うところは
- 団結権が認められている
- 団体交渉権が認めれらている
大きく分けてこの2点がの違いがあります。
現業職のデメリット
仕事が比較的楽で給与も良い現業職ですがデメリットも存在します。デメリットを気にするかどうかで現業職を目指すことを判断したほうが良い。
人によってはデメリットの方が大きく感じて辞めてしますこともあります。
- 肉体労働がメインである
- 役職がない
- 行政職に比べて給与が安い
- 民営化の流れがある
- 組合活動が強制
順番に解説していきます。
肉体労働がメインである
現業職のほとんどはデスクワークをしません。
清掃や用務員のようなガッツリ肉体労働の仕事もあります。また、給食調理員のように肉体労働と事務作業の半々に分かれる仕事もあります。
どちらにせよ身体が資本だということには変わりありません。調理員のようにときには重い荷物を持ったり、腰を常に低くしていなければならない仕事もあり、腰などを悪くして辞めていく人もいます。
逆に肉体労働だけれど用務員のように自分のペースで行う仕事もあります。自分のペースだと負担がかかりにくいので長く続けることができます。
どの仕事を選ぶにせよ、一定の体力を必要とするので体力に自信のない人や腰や膝に持病がある人は厳しいと考えます。
役職がない
基本的に現業職は役職というものがありません。
行政職は主事補、主事とか上がっていきます。しかし、現業職は一生平社員のままです。
新人研修はあるけれど、三年後の役職が上がったときの研修がなかったりと行政職とは年々違いがでてきます。
役職がない分、下にみられたり(実際そんなことはない)といった気持ちになります。
差別されている、下に見られている等のことが気になりプライドがある人は難しいかも知れません。
行政職に比べて給与が低い
行政職に比べて給与、昇給の額が少ないことがあります。
現業職の場合、初任給は年齢で振り分けられます。
20代後半で大体19万円からスタート。行政職の大卒の場合は新卒で大体16~17万円くらいです。
この差は3年位で簡単に抜かされます。そこから行政職は役職があるので役職手当などもついて給与がどんどん上がっていきます。
現業職と行政職であからさまに大きな開きはありません。行政職で20代後半で手取り20万そこそこなのでそれほど差はありません。
また、現業職は残業が基本的にありません。残業代がつかない、つきにくいのも現業職が大きく稼げない理由の一つです。
年齢が上がるにつれて行政職との差は少なくはなってきます。最初の方は給与では旨味は少ないと考えます。
民営化の流れがある
現業職にとって最も大きなデメリットです。
全国的にも公務員を減らしていこうという流れが出ています。年々採用人数が減っている自治体も多い。
その中でも真っ先に減らされるのは現業職です。現業職は他の公務員と比べて首にできます。その代わり、団体交渉や団結権を認めれらています。
実際に私の働いていた自治体でも学校用務員を民間委託する動きがありました。新規に学校用務員は採用しない。現在働いている用務員はそのままにする。
聞いた話によると、栃木のどこかの自治体はいきなり現業職を解雇したとか…
そもそも現業職を採用している自治体も少ないです。行政職のように毎年一定数採用しているわけではありません。受験する際は現業職の採用がある自治体か気をつけなければなりません。
組合活動が強制
組合活動に必ず参加しなければならないのが現業職の辛い所。
現業職の仕事が維持されているのは組合があるからといった部分も大きいでしょう。用務員のあり方、現業職のあり方を当局に訴える。
不当な解雇や任命替えや配置換えなどが起こらないように活動する。しかし、組合があったからと言って民間委託の波は抑えることはできません。
しかも、組合に入ると月々の給与から会費が天引きされます。そして、数年おきに役員が回ってきます。
役員になると毎週決まった曜日に仕事終わりに組合の仕事をしなければなりません。具体的には市に対する交渉の資料作りとかです。しかも、無給の上に夜10時ころまで残って作業します。
また、土日に関連する研修やイベントの視察もあります。若干交通費とかはでるのかはわかりません。しかし、組合のために貴重な休みが潰れます。
組合に参加しない方法は無いのか?無いです。これは絶対加入です。加入しないと先輩に言われます。
仕事以外の活動に時間を奪われるのも現業職のデメリットです。
公務員なら行政職
公務員ならなんでも良いは危険です。上記で説明したように現業職は安泰ではありません。
公務員を目指すなら行政職がオススメです。
今の所、リストラの心配もない。昇給やボーナスも約束されています。
もし、行政職を受験するなら予備校に行くべきです。特に社会人からの転職は勉強の効率が求められます。
予備校に行くことで合格まで時間が最短になります。自己投資する価値は大いにあります。
まとめ
現業職のデメリットは大きく5つある
- 肉体労働がメインで体力が必要
- 役職がないので平のまま
- 行政職に比べて給与が低い
- 民営化の流れがありいつ仕事が無くなるかわからない
- 組合活動の加入が強制で逃れられない
仕事は楽だけど、プライドがあったり自分の時間を奪われたくない人は難しいかも知れない。
また、民間委託推進の流れがあり、いつ仕事が無くなるか?同じ仕事を続けられるとは限らない。
このような不安がつくのもデメリットです。
受験される方は必ず覚えておきましょう。