公務員試験合格おめでとうございます。
この記事を見ている方で新人公務員になる方はいるかも知れません。
辛かった試験を乗り越えてようやく入庁できる。本当に嬉しいですよね。
私もブラック企業に勤めながら勉強して、ようやく合格できた時は嬉しかったです。やっと解放されると喜びで満ちあふれていました。
合格したはいいけど、次の不安は新人研修ではないでしょうか?働き始める前に研修をやるのはどこの公務員でも同じです。
事前に何か勉強をしていくべきだろうか?いえ、得にありません。
実際に研修で仕事に活かせることは少ないです。
結論から言います。
研修では仲間を作るべきです。
○この記事の対象者
- 公務員を目指す人
- 新人公務員として入庁予定の人
- 新人研修に興味のある人
○自己紹介
某中核市で約五年ほど公務員として働いてきました。その他、外資系企業や大手ホテル業界で仕事をしてきた経験があります。元公務員の立場から情報を発信していきます。
新人研修の内容
新人研修は1週間通して行われるところが多いです。たまに、2週間行われるところもあります。
私の勤めていた自治体は最初の1週間は合同で研修しました。その後、8月に施設研修。10月の2日間の座学研修を行いました。1年を通して研修が行われました。
研修は正直言って、実務とはかけ離れていて微妙な内容のものが多かったです。
今回は私が受けた研修を紹介します。どこの自治体もやることは変わらないです。参考になれば幸いです。
では、内容を紹介していきます。
順番に解説してきます。
オリエンテーション・任命式
1日目に行われます。
この日が一番緊張しますね。なぜならこの日に配属先が決まるからです。配属先ガチャで良いところを引くか、悪いところを引くかが決まります。
正直、公務員を長く続けて行けるかどうかはこの日の配属先ガチャによって決まると言っても過言ではありません。
ここで、悪い配属先を引いてしまったら休職や退職になる場合もあります。実際に1年目で辞めてしまった同期もいました。
こればかりは運ゲーなので祈るしかありません。
組織のトップ(市長)のありがたい言葉を聞いた後に、一人ひとり配属先を読み上げられ、辞令を受け取ります。
オリエンテーションでは事前に記入しなければならない書類や提出物を確認したりします。
書類作成と提出の時間だと考えてください。
そして、お昼を取って午後は配属先訪問です。
配属先訪問
さて、問題の配属先訪問がやってきました。
まずは課の前で簡単な自己紹介をします。その後、上司についていき各配属先に向かいました。
私の場合、配属先が保育園だったので園長先生の車で園まで向かいました。同期の女の子もいたので新人が二人ということで若干救われました。
園に着くまでめちゃくちゃ緊張しました。ほんとに大丈夫なんだろうか?やっていけるのか?嫌な人はいないか?いろいろ考えました。
園に到着してわかったのですがかなり自宅から遠い。当時借りていたアパートと反対方向にあり、とても自転車で通勤できる距離ではありませんでした。
この段階でめちゃくちゃ心が萎えました。
幸い、園の雰囲気も良くてなんとかやれそうでした。その日は、指導係の先輩に簡単な仕事を教えてもらい終わりました。
接遇
みんな大好き、ビジネスマナーです。新人研修の中で最も意味が無いと思った研修です。ビジネスマナー講師を呼んでの研修です。
私が社会人を経験しているから感じただけかも知れません。しかし、業務上使うことがない。そこまで、高級ホテル並みの接待はいらないだろうと感じました。
この研修ではグループになって行います。
- 名刺交換
- 身だしなみチェック
- 電話対応
- 場面を想定した劇
- 接客マナー
以上がやった内容です。
身だしなみチェックについては隣の人とペアでチェックします。相手とは初対面ということもあり、甘めにチャックしました。相手からは辛口でチャックされましたよ。
いやいや君ね、僕の身だしなみ完璧だから。靴が汚れてる?君ね、この靴いくらしたかわかる?君の100円の靴とはレベルが違うのだよ?
と、未だに根に持ってます。
やる内容は一般企業でもやるようなビジネスマナーです。しかし、業務においてそこまで使うことは無い内容でした。
どちらかと言えば接客業には使える内容です。公務員の仕事である程度の接客マナーは必要です。
しかし、過度なマナーは必要ないですし、逆に市民が怒ってしまうなんてこともありました。
接遇は他の月の研修でも行われます。内容は同じようなもの。正直税金と時間の無駄です。
自治体の取り組みや歴史
これは、公務員として働く上で知っておいた方が良い研修でした。
実際に自治体が取り組んでいる課題や建築された建物について学びました。
私の自治体が観光で有名なところだったので、観光地ならではの取り組みを知れたのも面白かったです。
その他、他市との比較でなぜ、うちの市の方が観光客が多いのか?観光客が多いけど滞在時間が少ないのは泊まる場所が少ないからとか話していました。
公務員倫理
一番力を入れている研修です。
公務員倫理はある程度年数が経ってからも研修を受けなければなりません。
簡単に言うと公務員としてのあり方についての勉強です。
業務上知り得た個人情報の取り扱いやSNSでの扱いなど公務員として気をつけるポイントを説明してくれます。
また、プライベートで外での話しでも市民がどこで聞いているかわからない。なるべく仕事の話や個人情報については気をつけるように何度も言われます。
本当に公務員は肩身が狭いのだと感じました。公務員倫理が研修の中では一番勉強になりました。
これから公務員を目指す人やなる人は注意してください。ほんとに私生活でも気をつける必要があります。どこで誰が見ているかわかりません。
地方自治法など関連の勉強
地方自治法など公務員に関連する法律や規則の勉強です。公務員試験でやったような内容をもう一度勉強するだけです。
特に必要なところを座学で勉強するだけ。なんにも特別なことはしません。
とりあえず聞いていればOK。
施設見学
市が運営している施設を見学します。
私はごみ処理所を見学しました。
市が取り組んでいるリサイクルや環境問題について知ることができました。
残念ながら見学をして終わりではありません。見学後に座学があります。たしか、ごみ処理施設の運営や目的について勉強しました。
施設見学はそこで働く職員をみて学ぶことができます。正直、みんなごみ処理の機械を見て騒いでいただけですけどね。
施設実習
施設実習は各自治体によって行うかはわかりません。参考までに聞いてください。
夏頃に民間の施設で二日間研修します。私は障害者福祉施設でした。
1日施設でスタッフとして働きます。
1日目は重度の障害のある方が通っている施設でした。初めて見たのでほんとにスタッフが大変そうでした。
食事の介助まではやりませんでしたが、ちょっと遊んだり話をする程度でした。
公務員として、民間企業の仕事を知ることと福祉の大変さを実感することが目的でしょう。
2日目は軽度の障害のある方の相手をしました。軽度なので普通に受け答えできます。
折り紙をしたり、ゲームをしたりと楽しかったです。
その他
その他として、AEDの研修がありました。
AEDは今やどこの施設にも置いてあります。しかし、使える人は少ない。
市民のために何かあったとき職員が使えなければ意味がありません。
この研修はとても役に立ちます。ぜひ本気で覚えましょう。そして、一人ひとり前に出て実践をやります。役割が与えられ必ずやります。
AED研修はどこの公務員でもやる項目でしょう。
全体を通しての感想
めちゃくちゃグループワークが多いです。
本当に公務員はグループワークや人と何か取り組むのが好きなんだなと実感しました。
グループワークが苦手な人は辛いです。嫌でも誰かと会話しなければなりません。
結構意味がわからない研修が多いです。無駄に1週間やっているんじゃないの?と疑いたくなる薄いものがあります。
表面的なものではなく実践で使える研修をして欲しい。公務員はクレームを受けることが多いのだからクレーム対応の仕方とか相手の感情の抑え方なんかを教えたほうが社会人初めての人には良い。
特に準備をしていくことは無いし、正直真面目に聞いていれば大丈夫です。
常に職員課の研修担当が見張っているので居眠りをしていると怒られます。座学で眠くなるのはわかりますがなんとか耐えましょう。
出会いを作れ
新人研修の最大の目的は横のつながりを作ることだと考えます。
新人研修を乗り切るためにも仲間を作るべきです。研修中に一人は厳しいです。
そして、長い公務員生活のおいて仲間は重要です。何かと助けてくれます。仕事以外でも助けてくれます。
新人研修を逃すと仲良くなる機会が少なくなります。研修はいいから仲良くなることを努力してみてはどうでしょうか?
できれば異性との出会いまで行けたら最高です。
まとめ
新人研修は公務員なら誰しも受けなければならない。
特別なことはしない。真面目に聞いていれば終わります。
研修の中には無意味なものも多数あります。しかし、真面目に聞きましょう。いかに公務員が無駄なことが多いか新人で気が付きます。
大切なのは仲間を作ることです。話すきっかけはたくさんあります。自分から話して仲良くなりましょう。
新人研修は同期とのつながりを作ることに集中してもいいかも…