この記事を見ている人の中には公務員として働いていて、休職になった方もいるかもしれません。
公務員は休職になった場合は給与は発生するのでしょうか?
今回は公務員の休職について書きたいます。
○この記事の信頼性
某中核市で公務員として約五年ほど働いてきました。その他、外資系企業や大手ホテル業界でも働いてきた過去があります。公務員時代に休職したこともあります。仕事のストレスから精神面を壊す。そこから、不眠になりと身体に異常がでました。この記事は実際に休職を経験した立場から話せます。
公務員の休職とは?
雇用されたまま長期間の労働義務が免除され、かつ雇用契約はそのまま持続すること。 何らかの理由により就業が不可能になったときに、就業規則などの定めにより適用される。
公務員の場合、法律で休職について規定されています。
休職期間であっても法律で身分が保証されています。
病気休暇との違いは?
病気休暇の場合は最長で90日間休みを取ることができます。
給与は90日間は満額支給されます。
また、病気休暇をとる日にちによって医師の診断書が必要な場合と必要でない場合があります。
- 6日まで休みの場合:診断書不要
- 6日を超える場合:診断書必要
このように休まなければならない日にちによって診断書が必要かどうか変わってきます。
病気休暇になった場合、給与同様にボーナスも満額支給されます。
実際に私も病気休暇になった時は満額ボーナスが支給されました。
休職について
では休職について説明します。
休職の場合、最長で三年間休みを取得できます。三年間は公務員としての身分が保証されています。
最初に90日間病気休暇を取った後に休職となるケースが多いです。
公務員の休職の原因
公務員の休職の多くはうつ病などの心の病です。
その数は年々増えていっています。
今や国民の四人に一人が鬱などの精神疾患を患っていると言うデータもあります。
実際に私も公務員時代にメンタルを壊して休職した同期や同僚がいました。
また、年に定期的にメンタルのストレスチェックが実施されます。希望者は役所の保健師と面談することができます。
一般企業と比べて念入りにメンタル面のケアが行われています。
働きやすい環境のイメージが強い公務員ですが、なぜこんなにもメンタルを壊して休職するのでしょうか?
メンタルを壊す理由
ではなぜ公務員の多くがメンタルを壊すのでしょうか?
- 人間関係
- 村社会
- 市民からのクレーム
- 残業などの仕事の多さ
これら4つが原因だと考えます。
人間関係
皆さん御存知の通り公務員は変な人が多いです。
中にはクラッシャーと言われるいじめをして何人か辞めさせるような人もいます。
公務員は仕事をする上でどうしても一人で取り掛かる仕事が少ない。必然的に人間関係が密になります。
うまく上司や先輩と付き合っていかないといけません。
この人間関係がストレスになることが多いです。
村社会
公務員世界は村社会です。
横のつながりが強く、すぐに噂が広まります。
更に、時代が昭和で止まっている人や場所もあります。どういうことかと言うと根性論や精神論がまかり通る世界です。
仕事の効率化や改善点など働きやすく工夫しようとしても精神論でねじ伏せられます。
自分は努力していても気持ちがとか考えが甘いと言われてしまってはどうしようもありません。
ちなみに私は精神論の典型的な日本人気質。苦しいことが正義の先輩と組んでストレスでメンタル壊しました。
市民からのクレーム
公務員は市民からよく見られています。
昔上司が言っていました。「市民の目は厳しい」
役所で怒鳴り声が聞こえのは日常茶飯事。常に何かしらのクレームがあります。
適切なクレームならばこちらも改善の余地があり真摯に受けとめなければなりません。
しかし、ストレス解消のためだけにクレームを言いに来る変わった人もいます。
そんな変わった人にターゲットにされて退職まで追い込まれることもあります。
どんなクレームでも毎日聞いていれば次第に心は壊れていきます。
残業などの仕事の多さ
公務員は定時で帰れて、アフター5は好きなことしてるんでしょ?
違います。部署によっては毎日夜の10時に帰宅なんて当たり前です。
公務員の仕事の大半は人の手によって行われています。まだまだ機械化して効率よくやっている部分は少ないです。
代表的なもので言えばコロナでの臨時給付金です。事前にネットから申請できました。しかし、申請したデータの全ては人の手によって確認しなければならなかったという話です。
このように非効率な仕事が多く存在します。仕事量の多い部署に配属されると激務に追われて疲弊していきます。
更に、ある一定時間までしか残業代が付きません。残りはサービス残業となります。
私の勤めていた自治体では160時間がマックスでした。
仕事でのストレスもメンタルを壊す要因です。
休職時の給与
では気になる休職時の給与について説明します。
- 休職後1年まで:約80%支給
- 休職後1年~3年:無給
休職して一年間は80%給与が支給されます。しかし、1年を超えて3年までは無給になります。
1年を超えて休職する場合の収入は?
では無給の期間はどうすれば良いのでしょうか?当然、給与が支給されなければ死活問題です。
安心してください。共済組合から傷病手当金が支給されます。
傷病手当金は最長で1年6ヶ月支給されます。
支給額は報酬月額の2/3支給されます。
仮に20万が報酬月額だとすれば約13万支給されます。
なお、受給の資格は給与支給が終わった後でなければなりません。つまり、給与と同時にもらうことは出来ません。
また、受給には医師の診断書が必要になります。
休職期間の給与計算は?
休職期間の給与計算について説明します。
まず、病気休暇の場合は満額支給されるので働いていた時と変わらない額がもらえます。
ただし、通勤手当は支給されません。住居手当や扶養手当は支給されます。
給与支給が80%の休職扱いになった時は計算が違ってきます。
まず給与は日割り計算になります。土、日、祝日を除く日にちで計算されます。
ですので月によって貰える金額にバラつきがあります。
ボーナスは支給されるの?
休職中のボーナスについてです。
ボーナスも少しですが支給されます。
夏のボーナスは12月~5月までの期間の仕事を査定して支給されます。同じく冬の場合は6月~11月の6ヶ月間が対象です。
対象期間の内、1日でも出勤していれば満額支給されます。しかし、対象期間を休職してしまった場合は減額されます。
例えば6月に休職してしまった場合。夏のボーナスは満額支給されます。しかし、冬のボーナスは減額支給です。
私の場合、冬のボーナスの査定時期に休職してしまいました。いつもの額に20万ほど少なく約13万円支給されました。
給与支給期間が終わってしまえば当然ボーナスも支給されません。
まとめ
公務員は休職・病気休暇と手厚く保証されている。収入も確保できるのでゆっくりと病気の治療を行えることが魅力だ。
また、休職期間でも給与が支給されればボーナスも支給される。
給与支給が終わった後でも傷病手当金が貰える。しっかりと制度を知っていれば不安感もなくなる。
申請の条件や時期もあるので忘れずに調べておこう。